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栗本薫の絶筆、グインサーガの最終巻である130巻「見知らぬ明日」を購入しました。世界最長SF小説、グインサーガ。SF好きなら誰もが一度は手を出したくなる未完の傑作です。絶筆が「見知らぬ明日」って、編集者である夫の今岡清さんがタイトルつけたのかな?それとも、もう書けないことを悟った栗本さん本人が決めたのか。晩年、30分と座り続けることができなかったにも拘らず執筆をやめなかったその作家魂は、崇高ですらあります。どちらかというと過去の人だった栗本薫は、完全に過去の人になることで、歴史になり、もう風化をやめるのでしょう。
「誰かがこの物語を語り継いでくれれば・・」そう本人が望んでいたことは、ちょっと意外な気がしました。ここまで大きな風呂敷広げて、誰がこれを理解しまとめあげられるのか、本人すら成し得なかったことをどうやってやり遂げるのか、想像できないです。サザエさんやクレヨンしんちゃんのようにはいかないんじゃないでしょうかね?別にサザエさんが単純だからというわけではないけど。比較すること自体が間違ってますね。
でもきっと、キャラクターへの愛情があるから、そう言い残したのかもしれません。キャラクターは作家にとって子どもみたいなものです。物語の中でどう育てていくのか、生かすのかを考えながら書き続け、物語の終わりと共にそのキャラクターの生を封じ込めるのです。未完のままでは、その先の物語の中でキャラクターは永遠に終わりのない状態でさまよい続けます。悲しい放浪をさせるよりは、他の作家の手によって導いてもらう方が良いと思ったのかもしれませんね。でもホント、誰が書けるんだろう(苦笑)





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